サイバーアーツ01 真紅の虚獣

今回紹介するのはこちら。

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サイバーアーツ01 真紅の虚獣
瀬尾つかさ
イラスト ヤッペン
レーベル 角川スニーカー文庫
オススメ度 ★★★☆☆

いつもの瀬尾さんの作品だなというのが率直な感想でした。

殆どの人類が頭のなかにナノマシンを入れ、それらの量子ネットワークにより、VRとAR技術が普及した近未来。
影の薄い主人公が、享楽的なハッカーの少女と出会うことから始まる物語です。

失踪した兄から託された、特別製のナノマシンと武器を手に正体不明のネットワーク侵略者と戦うというストーリーで進行して行きます。
現実と仮想を上手くリンクさせていて、物語世界を破綻なく構築している点は流石、ベテラン作家であると言えます。

ただ、尻上がり的に盛り上がっていくだろうストーリーがキチンと完結するかが問題です。

86 -エイティシックス-

さて、今回紹介するのはこちら

86―エイティシックス― (電撃文庫)

86―エイティシックス― (電撃文庫)

86 -エイティシックス-
著 安里 アサト
イラスト しらび
レーベル 電撃文庫
オススメ度 ★★★★★


第23回電撃小説大賞、大賞受賞作。
生と死、そして人の尊厳とは何かをテーマにした骨太のSF作品で、時雨沢先生の帯コメントの通り、ラスト一文まで文句なしの作品でした。

電撃小説大賞の受賞作は毎年、殆どを購入しているのですが、やはり、時雨沢先生が帯コメントを寄せている作品に外れはありませんね。
また、過去の、アニメ化までいった受賞作と遜色ない出来だったと思います。


内容は、帝国の無人兵器レギオンの侵攻を契機に、人型の豚と貶められ、ゴミのように死んでいく運命を背負った少年兵たちと、彼らの監視役となった少女の物語です。
少年たちが駆るのは、棺桶と揶揄される有人の「無人機」である欠陥兵器。
人型の豚が操っていれば、それは「無人」であるというトンデモ理論な兵器です。


そんな兵器を操る彼らの、例え死にゆく運命であろうと、尊厳だけは失わずに生きていく彼らの姿は眩しくて、その生き様に涙が止まりませんでした。


とにかく情報量が多い作品なのですが、個々のギミックが上手く作用しあっていて、読みにくさを感じることはありませんでした。
ラストバトルからのエピローグでは涙腺が崩壊してしまいました。
スピアヘッド戦隊にクソ栄光あれ。


あとがきを読む限り、シリーズとして続くようですが、1巻がこれだけのクオリティだったので、失速したり、蛇足になったりしないかだけが不安です。

しかし、読んで損はない作品であったと思います。

君は月夜に光り輝く

今回紹介する作品はこちら

君は月夜に光り輝く (メディアワークス文庫)

君は月夜に光り輝く (メディアワークス文庫)

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君は月夜に光り輝く
著 佐野 徹夜
オススメ度 ★★★★★

第23回電撃小説大賞、大賞受賞作です。
まずはあらすじをご紹介。

大切な人の死から、どこかなげやりに生きてる僕。高校生になった僕のクラスには、「発光病」で入院したままの少女がいた。月の光を浴びると体が淡く光ることからそう呼ばれ、死期が近づくとその光は強くなるらしい。彼女の名前は、渡良瀬まみず。
 余命わずかな彼女に、死ぬまでにしたいことがあると知り…「それ、僕に手伝わせてくれないかな?」「本当に?」この約束から、止まっていた僕の時間がふたたび動きはじめた――。
 読む人みんなが涙――この圧倒的感動に、山口幸三郎綾崎隼、蒼井ブルー、loundrawも大絶賛! “今を生きる”すべての人に届けたい、最高のラブストーリー。

下記公式サイトより転載
mwbunko.com



大賞の名に相応しい作品だったと思います。

姉の死を引きずり、空虚な毎日を過ごす少年と、原因不明の難病で、余命幾ばくもない少女が出会うことから始まるボーイミーツガール。

使い古されたテーマではあるものの、少女の「お願い」を通じて、次第に心を通わせていく過程がとても心地よかったです。

だからこそ、ラストシーンの彼女の独白と、最後の「お願い」が心に響きました。

歳を重ねていくにつれて、涙脆くなってきている自覚があるため、このような、読者を容赦無く泣かせにくる作品に弱くなっているんですかね。


次回作も買いたくなるような出来でした。

ラブライブ!サンシャイン!! 2日目ビューイング参加レポート

今回は、先日行われた「ラブライブ!サンシャイン!! Aqours First LoveLive! ~Step! ZERO to ONE~ 」のレポートをしようと思います。

2日目のライブビューイングに参加したのですが、端的に言って、素晴らしいライブでした。


まずはセットリストをご紹介。

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セットリストを見てもわかる通り、今回のライブは、アニメ放送後ということもあり、ほぼアニメ登場順となっていました。
そのため、アニメの感動をもう一度味わうことができてよかったです。
かいつまみながら紹介していきます。


1曲目:青空 Jumping Heart
言わずと知れたアニメオープニングテーマ。
1曲目にも関わらず、会場の熱気は凄まじかったです。


2曲目:恋になりたい AQUARIUM
2ndシングル曲ですね。
一緒にLVに参加した、曜ちゃん推しの友達は、この時点で号泣していました。


4曲目:決めたよ Hand in Hand
アニメ1話挿入歌です。
2年生組の3人の曲ですね。
μ'sのときも思いましたが、このぐらいノリのいい曲の方が私の好みです。


5曲目:ダイスキだったらダイジョウブ!
アニメ3話挿入歌です。
4曲目に引き続き、2年生組の曲ですね。
衣装もアニメを再現しており、4曲目の時点で次に何を歌うのかわかってしまっていましたが、それでもいい曲だなと思いました。


6曲目:夢で夜空を照らしたい
アニメ6話挿入歌です。
1年生組も加わり、こちらもアニメの衣装で歌われていました。
しっとりとしたバラードが心地よかったです。
また、桃燈を空へ飛ばす場面で、会場中がオレンジ色のサイリウム一色になる一幕もあり、改めてラブライバーはよく訓練されているなと感じました。


7曲目:元気全開 DAY! DAY! DAY!
幕間のスキットチャット風味のアニメ映像を挟み、ユニット曲へ。
まずはCYaRon!から。
千歌ちゃん役の伊波さんと曜ちゃん役の斉藤さんは、この次の8曲目まで出ずっぱりでした。
鬼のようなセトリに戦慄を覚えたのですが、変わらず笑顔を振り撒く伊波さんと、元気に動き回る斉藤さんは凄いなと思いました。


9曲目:トリコリコ PLEASE!!
次のユニットはAZALEA。
トリコリコになりました。


11曲目:Strawberry Trapper
最後のユニットはGuilty Kiss。
スタンドマイク片手にカッコよくキメた曲中と、スタンドマイクにはしゃぐMC中のギャップがとてもよかったです。


13曲目:未熟 DREAMER
アニメ9話挿入歌です。
アニメのダイジェスト映像からのこの曲。
観客の涙腺を刺激するこのコンボの前には勝てませんでした。
となりの友達も号泣でした。
衣装もアニメ準拠となっていたので、よりクルものがありました。


14曲目:想いよひとつになれ
アニメ11話挿入歌です。
Aqoursの1stライブを語る上で避けては通れないのがこの曲です。
1日目の時から情報が上がっていましたが、梨子ちゃん役の逢田さんが、劇中同様、ピアノで演奏をするという演出に。

しかし、逢田さんは感極まって、演奏をミスしてしまいます。
途切れた伴奏。
静まりかえる会場。
サイレントで上映を続けるアニメ映像。

そんな中、いち早く彼女のもとに駆け寄り、抱き締めたのは伊波さんでした。

ごめんなさい。ごめんなさい。と繰り返し、過呼吸のようになってしまった逢田さんとそれを優しく抱き締めて大丈夫だと励ました伊波さん。
果南ちゃん役の諏訪さんと鞠莉役の鈴木さんが遅れて駆け寄るやいなや、ステージを駆けおり、水を持ってきた伊波さん。
カッコよかった。

改めて、Aqoursのファンになった瞬間でした。
それと共に、潤みっぱなしだった涙腺も決壊。
なぜ私は会場にいないのだという悔しさと、LVでもいいから、この場に立ち会えたことの素晴らしさで胸がいっぱいになりました。


16曲目:MIRAI TICKET
アニメ13話挿入歌です。
ミュージカル調の導入部分から入っており、このライブではとことんまでアニメを再現するのだというスタッフの心意気を見た気がします。
また、劇中でもあった10番目のコールは、ライブ会場だと格別だなと思いました。


17曲目:君のこころは輝いてるかい?
1stシングル曲であり、馬跳びシーンが大きな話題となった曲でもあります。
そんな曲をアンコール前に持ってくる鬼畜なセトリと、それにきっちりと応えるAqoursの面々は凄いなと思いました。


そして、明かされる、Aqours Next Step! Project 。
詳細はこちらから。


gs.dengeki.com



テーマソングCD→ユニット&デュオトリオ→2ndライブツアー→2期決定の流れで発表されたので、テーマソングCD発売決定の発表時の「コレじゃない」感と、徐々にボルテージが上がってくる感じがたまらなかったです。

なんだか、スタッフに踊らされているような…気のせいですよね。



長々と書きましたが、結論を述べると、参加してよかったと思えるほどの素晴らしいライブでした。
さて、アニメの円盤を買わねば。

りゅうおうのおしごと5限定版

さて、今回は、りゅうおうのおしごと5巻の限定版について触れていこうと思います。


本編の紹介はこちらから

watar091.hatenablog.jp



限定版特典としてついてくるのは小冊子。
内容は以下の通り。

・キャラクター設定資料集
・ゲストイラストギャラリー
さがら総書き下ろし短編

イラスト集が素晴らしいのは言うまでもないです。

特によかったのは、さがら総が書いた短編。
ベテランらしい安定した筆致で描かれる、30年後の姉弟子とあいの姿は、原作顔負けの熱い展開とコメディパートが上手く融合しており、素晴らしいの一言。
この少ないページ数でこれだけのものを書くとは。

本編でも姉弟子には報われてほしいなと切に願います。

通常版と比べて、小冊子分だけ値段が高いですが、それに見合うだけの面白さでした。

りゅうおうのおしごと5

最初に紹介する作品を何にしようかと考えたのですが、やはり、最近発売された中で一番熱い作品にしようと思います。

それが、こちらになります。

りゅうおうのおしごと!5 (GA文庫)

りゅうおうのおしごと!5 (GA文庫)

りゅうおうのおしごと5
著 白鳥 士郎
イラスト しらび
オススメ度 ★★★★★

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まずは、初見の方のためにシリーズのあらすじを紹介。

中学生で将棋のプロ棋士となり、16歳で将棋界の最強タイトル「竜王」の保持者となった九頭竜八一(やいち)。
しかし、「竜王」位の重圧から、スランプに陥ってしまう。
そんな彼のもとに「弟子にしてもらう」という約束を片手に押しかけてきたのは、小学3年生の雛鶴あい。
若干、9歳の女子小学生であった。
通報待ったなしの危機的状況を前に、八一の明日はどっちだ!?

発売当初、このご時世にメインヒロインの年齢が一桁という暴挙にでた著者と、それにGOサインをだした編集部に戦慄しました。
しかし、蓋を開けてみると、著者の前シリーズである「のうりん」の執筆で培われた、綿密な取材による描写、黄金比とでも言うべきシリアスとコメディの配分が遺憾なく発揮されていました。

本シリーズは、先日発売された「このライトノベルがすごい2017」において、「第一位」という快挙を成し遂げ、名実ともに今、一番熱い作品へと昇華しました。

興味を持たれましたら、1巻からどうぞ。

りゅうおうのおしごと! (GA文庫)

りゅうおうのおしごと! (GA文庫)

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前置きが長くなりましたが、待望のシリーズ5巻が、今回紹介する内容となります。

5巻のあらすじがこちら。

「アーロハ―♪」
遂に始まった八一の初防衛戦。挑戦者として現れた最強の名人と戦うべく常夏の島を
訪れた八一だったが……なぜか弟子や師匠までついて来てる!? 一門(かぞく)旅行!?
おまけに銀子と夜の街でデート!? そんなんで名人に勝てるのか!?
あいと天衣、そして桂香のマイナビ本戦も始まり、戦いに次ぐ戦いの日々。誰もが傷
つき、疲れ果て、将棋で繋がった絆は将棋のせいでバラバラになりかける。……だが、
「もう離さない。二度と」
一番大切なものに気づいた時、傷ついた竜は再び飛翔する――!!
将棋という名の奇跡に最後の審判が下される、激闘の第5巻!

Amazon 商品紹介ページより抜粋


月並みな言葉になってしまいますが、とにかく熱かった。
熱い。
ただただ熱い。
読んだ直後はそれしか言えなくなるほどの熱量でした。



ここからはネタバレ要素も含みますのでご注意ください。



序盤。
第一局の舞台はハワイ。
いつもと違う環境でちょっぴりダイタンになる姉弟子がとにかく可愛いかったです。
そんな姉弟子に当てられてホワホワした気分で読み進めていたら、怒濤のシリアス展開へ。
竜王位を取れば、タイトル通算100期と永世七冠が決まる、将棋界の生ける伝説「名人」に、自身の将棋観を根底から否定される一手を打たれた八一。

思考の袋小路に迷い混み、どんどん追い込まれていく八一。
遂には、記者からの心ない陰口により、最愛の内弟子を自宅から追い出すまでに。

そんな八一を励ますために、盤外戦術を使ってでも貪欲に勝ちを取りに行く天衣の健気さに心が洗われました。

そして、なんと言っても、桂香さんからのエールが素晴らしかったです。
幼いころから八一のことを見てきた年上の妹弟子が、死力を尽くして彼のためだけに将棋を指す場面は涙なしには読めませんでした。
「報われない努力はない。それを証明するために戦いました。」

その言葉で見事に再起を果たした八一。
まさに王道と言うべき展開。
私の涙腺も決壊。

最終局面を迎える竜王戦は凄すぎて、熱いと表現するしかできなくなるほどでした。
そんな第四局の行方は是非、本編でお楽しみください。

また、感想戦でも驚きがありました。
前巻で登場した時にルビがふっていないので、気になっていたのですが、まさかここにきてサプライズをされるとは思いませんでした。
それにしても、皆、八一のこと好きすぎですよね。
爆発しろ。

りゅうおうのおしごと!5 (GA文庫)

りゅうおうのおしごと!5 (GA文庫)

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はじめまして

このブログはラノベ読みである管理人が、
オススメのラノベを紹介していくものとなります。

昨今は、月に100冊以上の新刊が発売されるほどの規模に成長したラノベ市場。
どのラノベを選んでいいのかわからずに、
ネットの評判を見る人も多いかと思います。
斯く言う私もその一人です。

これまでは読書メーター様で細々と感想をアップしてきたのですが、
この度、ブログを開設し、ラノベの購買層が少しでも広くなるようにしたいと考えました。

ラノベを読みもしない人たちから、
「最近のラノベは…」だったり、
「またラノベ原作のアニメかよ」だったりと、
不遇な扱いを受けているラノベ
エンターテインメント作品なのだから、合う合わないはあるはずなのに、
十把一絡げに「ラノベはクソだ」と謂れのない評価をされ続けられています。

そうじゃないんだよと。
確かに、一般の流通ルートにのせるには、
あまりにもお粗末な作品もあることは事実です。
でも、そんな中にも、光り輝く作品たちはあるのだと、私は発信していきたい。
併せて、出来れば、素晴らしい作品を共有したい。

なんだか、意識高い系になってしまいましたが、
そんな気持ちで始めました。

そこそこの更新頻度でやっていこうかと思いますので、
お付き合いをよろしくお願いします。